創業は1926年
小山内建設のルーツは、青森の征葺き職人集団でした。1926(大正15)年に小山内長市(ちょういち)が木の木目に沿ってナタで薄い板を作り、屋根に敷き詰めていく征葺き(まさぶき)という工事で創業しています。
小山内長市が猿払村の知来別に入植したのが1927(大正16)年。猿払村鬼志別でおそらく一番古い木造の建物が、当社の作業場です。室内側から征葺きを見ることができます。
2代目は小山内金太郎。青森で生まれ、会社を継ぎ、猿払で結婚しました。釜で木材を煮て、機械でスライスする大量生産方式に変わり社業も成長しました。
3代目は私の母で、父の和男は村の議員をしていました。屋根工事も征から板金に変わり、その後、建築工事の会社に業態転換し、公共工事なども行う会社になりました。炭鉱や冬山造材などの仕事もあった時代です。夏場は7人ほどの職人さんたちが我が家で寝泊まりし、母が職人さんたちの食事も用意していました。父は板金の一級技能士や、二級建築士の資格も持っていました。
4代目で住宅建設をメインに
4代目は私。現社長の小山内浩一で、1998(平成10)年に社長就任しました。
大学では北海道科学大学(当時は北海道工業大学)の建築科に入学し二級建築士の資格を取得。学生時代は鉄骨の溶接やサンダーがけなどのアルバイトをしました。
就職は三笠の建築会社。現場監督として経験を積み、一級建築士取得の際にスカウトされてカブトデコムに入社。その後、現在のホテルエイペックス洞爺、稚内のラルズなど全道各地の大型建築の現場監督を経験しました。設計・プランニングのスキル、現場の段取り、大工や技能者と一緒に取り組む品質向上、安全対策など多くのことを学べたと思います。
子育て環境重視で猿払村にUターン
若い頃は小山内建設を継ぐ考えはありませんでしたが、25歳で結婚し、子どもが生まれると、札幌より子育て環境が良いと感じた猿払に戻りたい、という気持ちになりました。小山内建設に戻り、34歳で社長になりました。
住宅性能アップに向けて
当初は公共建築中心の会社で、社員の多くは父と同年代。会社経営、発展のために何かを学び、変えていかなければと思い、高断熱高気密を学べる新住協に入会しました。
以来、住宅の断熱・気密の技術を学び、社内の大工と共に実践し続けました。
気密・断熱施工の知識・技術はもちろんですが、暖房や換気、そしてデザイン・意匠性も含めた試行錯誤が続きました。
少しずつ省エネで暖かい家づくりができるようになり工事に関わる大工・電気・設備などの職人さんたちも、今までに経験のない高度な住宅施工に、お施主さまも、家の暖かさ、光熱費負担の少なさに驚かれました。 その結果、評判が噂、口コミで広がり、徐々に「小山内建設で家づくりをお願いしたい」という反響につながってきました。
300ミリ断熱、400ミリ断熱など、道内でも珍しいレベルの超高性能住宅にもチャレンジし、光熱費負担の軽減、住み心地の改善とともに、長期優良住宅など住宅補助金の活用にも積極的に取り組んでいます。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)など、地球環境問題に貢献できる家づくりにも挑戦しています。
詳しくは
『高断熱と高気密』に対する思い
~極寒の地域でも暖かくエコに暮らせる住まいを求めて~
を参照ください。
http://www.osanai-k.jp/concept/koukimitsu/
大工育成
大工の世界は大半が請負制度です。夏場など繁忙期は月収が50万円を超えても冬場が激減してしまいます。そのため家族と離れ出稼ぎか失業保険をもらうのが定番でした。
当社は2000(平成12)年に大工を社員雇用に切り替えました。大工を社員雇用し、他社よりも月給額や、資格取得の面でも手厚い対応をすることで、腕の良い大工の育成、住宅品質の向上、そして、建て主様などへのきめ細かいフォローを大工も含め小山内建設全体で行っていく体制にしています。
社員なら、後輩大工の育成も評価の基準になります。社員雇用にすることで若者、新人の定着にも役立っていると思います。
インパクトドライバーや丸ノコなどは、小山内建設が買い揃え、支給します。新人大工には、安全に使いこなせるよう、段階的に、道具の扱い方を教え、段階的に支給しています。こうすることで、大工の経済的負担軽減にもなります。
設計・デザイン
お客様との打合せは、社長の小山内浩一と、同じく一級建築士の資格を持つ、川口峻がしっかり伺います。
川口峻は、猿払村の地域おこし協力隊員として2017年から3年間、移住促進やまちおこしの活動を行った後、猿払に定住を決め、小山内建設に入社。その後、私とお客様との打ち合わせに同行し、打合せやプランニングを一緒にやっています。
構造計算や長期優良住宅の補助金申請などは、その分野が得意な設計事務所などにも依頼しています。
デザイン面は、お客様の好みを最優先に考えています。屋根の形や外壁の素材、室内の動線や収納、インテリア
至るまでお客さまとよく打合せして決めていきます。
断熱性能や住宅の耐久性、住み心地などに関して、プロの目線で、避けた方が良さそうな時は、お客様にお伝えします。外装材は耐久性を踏まえ窯業系よりガルバリウムをおすすめすることが多いです。
既製品のキッチンや収納では要望が実現できない場合、オーダーで造作のキッチン、収納なども制作しています。大工や家具・建具の技能者が担当します。社内の大工で施工できるものは、柔軟に、費用も抑えて対応できます。
クロスや照明、収納などは、構造躯体ができてから、お施主様に実際に現場に入ってもらい、空間の広さ、距離感などを体感してもらったうえで、私や設計の川口峻、そして大工さんや電気屋さん、内装の技能者も必要に応じて加わり、相談、検討をすることで、より希望に沿った仕上がりを実現できます。
農業者、漁業者の方々の家づくりもたくさん経験があります。お施主さまが、仕事が終わって帰宅されたあとは、正面玄関ではなく勝手口から室内に入り、衣類を着替えてからリビングでくつろぐ生活動線をつくるなど、さまざまな配慮ができます。
近年は、お施主様が、国内外のデザイン性に優れたキッチン、建具、照明をインターネットで調べ、採用したいとご相談いただくことも増えています。小山内建設ではこうした「施主支給」も歓迎しています。
移住について
稚内や猿払などをはじめ道北は、北海道らしい魅力的な自然、景観があります。
1 通勤ラッシュがない
2 家族との時間を確保しやすい
3 キャンプ、釣り、山菜取りなど自然をフィールドに楽しみがたくさんある
など魅力満載です。詳しくは
を参照ください。
最後に
宗谷管内・道北・オホーツクエリアに、優れた品質・性能・デザインの住宅を残したいと願っています。現代の新築住宅は、維持管理がよければ50年、あるいは100年住み続けられます。
2050年にカーボンニュートラルな社会を実現するためには、今建てている住宅の品質・性能はきわめて重要です。
そのために当社は、新住協や北海道ビルダーズ協会などの活動を通じ、最新の技術やノウハウも吸収し、技術・品質の発展にも努めています。全棟気密測定で性能の点検も欠かしません。
今後も小山内建設は一歩一歩前進していきますのでよろしくお願いいたします。