WORKS

子ども部屋&水槽&海の眺め&省エネ重視の家/稚内市I邸

今回ご紹介する稚内市のI邸は

・ダイニングからのオーシャンビュー
・5つの子ども部屋
・玄関&リビングの巨大水槽
・高断熱 UA値0.22W・m2・K
・高気密 気密測定結果もC値0.2㎝/m

がポイントの家づくりです。

自宅の前に広がるオホーツク海

「断熱性能、コスト、耐久性などを踏まえると外観は凹凸のないシンプルな形が一番優れていると思って」とご主人。

玄関に入ると早速、衝撃的な大きさの水槽を発見!まるで水族館。水槽が壁面に収まっていて、照明や配管などは見えないようになっています。

悠々と泳ぐ青色の鮮やかな魚は、熱帯魚の王様とも呼ばれる「ディスカス」。水槽の横幅150センチ!一般家庭に設置する水槽としては最大級です。ご主人がアクアデザインアマノ(ADA)製のガラス水槽(重量100キロ超え)を旭川の熱帯魚ショップで購入。ショップ店員の協力を得て軽トラに積み込み、小山内建設の倉庫まで運んで住宅の完成まで保管しておいたという水槽です。

この水槽、玄関側からだけではなく、リビング側から、つまり両面から鑑賞できます。

熱帯魚飼育には、ろ過フィルター、照明、ヒーター、配管などのほか、餌、掃除用具などたくさんの器具が必要なのでそれらをきれいに納める収納が必要です。また、流木や水などを加えると総重量1トン以上もあります。そのため地面と床の間に鋼製束を多数配置し、床から天井までの大きなキャビネットも耐荷重を計算し、小山内建設の大工さんが木で造作しました。地元で採取した巨大な流木は、水槽に収まるように大工さんにカットしてもらいました。

ダイニングから一望できるオホーツク海。ご主人は水揚げ量日本一、年間約2000トンを誇る宗谷のミズダコの漁師で、漁期の4月から12月には、朝1時頃には起きて漁に出ています。そのため、起床して真っ先に海の様子をチェックできるように大きな窓にしました。

大きいのは水槽や窓だけではありません。ご夫婦と子ども5人、合わせて7人が全員で夕食を囲めるダイニングテーブルが置ける大きなダイニングもあります。ご主人は「漁が朝早いので、家族全員が揃うのは晩御飯の時間だけ。その時だけは家族皆揃って過ごしたいのでリビングよりダイニングを大きく確保したんです」と話してくれました。

大理石の柄が好きな奥さまのご要望で、玄関やLDKの床材、キッチンやカウンターの色柄は大理石調で合わせ、ラグジュアリーに統一しました。

対面キッチンのリビング側には、子どもたち5人が毎朝学校に行く前に、ハンカチ、水筒などを自分で持ち出せるようにカウンター下に収納を造作してもらいました。ダイニング収納の上には、漁や家内安全を司る神棚も、方位や高さなどをしっかり検討し設置しました。

家族が集うのは主にダイニングや2階の共有ホールなので、リビングはあえて省スペースに。メリハリのあるプランニングで要望や予算とのバランスを確保しています。

漁から帰ってきたご主人は、裏の勝手口から入り、右にある洗濯機に作業着を入れてお風呂に入ります。

育ち盛りの5人のお子さんたちは、毎日の洗濯物もたくさんあるので、ランドリールームを広く確保。また畳んだ洗濯物は隣接するウォークインクローゼットに収納できるので、2階の子ども部屋まで洗濯物を運ぶ必要がなく家事ラクも実現しています。

2階の共有ホール。兄弟で一緒に遊べる空間です。

5人兄弟ですから、全員に子ども部屋を用意するとなると5部屋も必要になるわけですが・・・

「高校生になれば実家を離れてしまうので、子ども部屋を使う期間は短いというのはわかっていますが、子どもたちが喜ぶと思うから一人ひとりに自室を作りました」とお父さん。

ちなみにお父さんの部屋もあります。カラフルで鮮やかな鱗と長いヒレを持つ淡水魚「ベタ」の繁殖もしているため、たくさんの水槽がありました。

2階の共有ホールには洗面台もあるため、水槽の水交換も効率よく行えます。

づくりの経緯も伺いました。

Q 家づくりのきっかけは?

A  子どもがたくさんいると借家暮らしでは狭かったんです。寝るときは3段ベットでしたし、それぞれに子ども部屋も用意したかったのでマイホームを決断しました。

Q 住宅会社探しは?

 小山内建設さんは母の知り合いが家を建てていて、良い評判も聞いていたので相談したんです。小山内社長は、整地するための工事費用をはじめ、子ども部屋をたくさん作ることや、勝手口を中心とした柔軟なプランニング、大きな水槽の設置に至るまで、本当に臨機応変に対応してくれたので、お願いしてよかったと思っています。

Q プランニングは?

 私や妻の要望はいろいろありましたが、予算の制限もあったので、そこは小山内社長と設計の川口さんが絶妙に調整してくれて仕上げには大満足です。

小山内社長には断熱気密のことをいろいろ教えていただき、その点でも安心してお任せできました。川口さんはプランニングの段階で3Dで説明してくれて、家の完成イメージもつかみやすかったです。

Q 住み心地は?

 子どもたちは自分の部屋ができて喜んでいるし、友達も招くようになって、家の中で鬼ごっこをしたり、いつも元気に遊んでいます。

以前住んでいた借家は、真冬に旅行に行って帰ってくると室温が5℃以下になったりしていましたが、新居は、いつでも、どこでも暖かくて驚きます。2階の私の部屋にいる熱帯魚は、温度管理をしっかりする必要がありますが、部屋自体が適温なのでとても楽です。

I邸の断熱仕様

基 礎:外側押出ポリスチレンフォームB3 種100 ㎜+内側押出ポリスチレンフォームB3 種75 ㎜+土間下押出ポリスチレンフォーム50 ㎜

外 壁:200 ㎜断熱(充てん高性能グラスウール16K105 ㎜+外付加高性能グラスウール16K105 ㎜)

天 井:ブローイング350 ㎜

玄関ドア: 金属製断熱タイプ

:プラスチックサッシ・アルゴンガス入りLow-E トリプルガラス

暖房方式:灯油温水パネル式セントラルヒーティング

換気方式:熱交換換気システム

外皮平均熱貫流率:0.22 W/(㎡・K)

暖房灯油消費量:試算 657ℓ(国の次世代省エネ基準の場合は試算で1,831ℓなので約3分の1)

気密測定も実施:C値=0.2㎠/㎡